STREAL STORY
酒蔵

STREALが職人の負荷を軽減
伝統の技と味を未来へとつなぐ
ひずみ量を測定し重量の微細な変化を計測することは、
STREALが強みを発揮する応用の1つです。
この特性で昔ながらの技を受け継ぐ酒造りの現場の負荷を軽減し、
日本の酒造文化を未来へとつなごうとしています。

先端技術を活用して
持続的な伝統技術の発展に貢献したい

酒造りには日本の各地域の伝統が根付いており、熟練の技によって生み出される個性豊かな味わいが、多くの人々に愛されています。
しかし、昔ながらの製法は働き手にとって過酷な一面があり、後継者不足の一因となっています。そこで、大分県で事業を展開する柳井電機工業株式会社では、先端技術を導入することで酒造業界の「働き方改革」をサポートしようとしています。

「完全な自動化ではなく、手作りの良さを残したままで
必要なところをお手伝いさせていただきたいと考えています」と語るのは、柳井電機工業の深井愼司さん。
同社ではIoTやAIなどの技術を駆使して、伝統的な製法を守りつつ職人の負担を軽減できるよう、システムの開発を進めています。そのうちの1つがSTREALを利用した「麹みまもりくん」です。

STREALを活用して酒蔵のDXに取り組む
柳井電機工業 深井愼司さん

宿直業務を解消し身体的に楽になる
「麹みまもりくん」

酒造りの工程において、特に働き手の負担となっていたのが製麴における宿直業務です。麹に含まれる水分量が適正になるまでおよそ10時間にわたって同じ温度を保っていなければならず、宿直者は一晩中絶えず温度を確認し、立て板とすけ木を用いて麹に当たる空気の量を調整する必要がありました。

一方、「麴みまもりくん」では麹の温度が設定温度を上回ると自動的にファンが回転して温度を下げ、設定温度を下回るとファンは停止します。そのため、人が不眠不休で監視や調整を行う必要はありません。実際に試作機を稼働させて従来の宿直者による温度管理と比較した結果、「麴みまもりくん」の方がより狭い範囲で品温管理できているというデータが得られています。

麹の重量から水分量の変化がわかる

宿直者の業務を代行するうえでもう1つ大切なのが、麴の水分量を正確に把握することです。温度とは違いリアルタイムに数値データを取得することは従来困難でしたが、STREALを用いることでこの問題を解決しました。
STREALを組み込んだロードセルを麹箱の下に4ヵ所取り付けることで、発酵時に軽くなる麹の重量に比例して変化する水分量を常に監視できるのです。

導入を目指すにあたって、深井さんと同社の吉村美保さんは2020年から試作機を用いた実証実験をスタートしました。まず水分変化と重量変化の相関関係を明らかにした後、酒蔵で実際に運用し、宿直者とともに製麹を見守ったそうです。「実際にやってみて、本当に大変な仕事だなと思いました」と吉村さん。
「こうした技術の導入で、酒蔵が若い方にとって魅力的な職場になってほしいと思います」

柳井電機工業 吉村美保さん

STREALで広がる酒造りの働き方改革

「大きさや精度ももちろんですが、温度補正回路が搭載されているのもSTREALの素晴らしいところです。温度に関係なく正確なひずみ量を測定するのは、従来のひずみゲージでは困難ですから」と語る深井さんは、その長所を生かし、他の酒造工程にもSTREALを役立てようしています。
柳井電機工業の強みである地場産業との繋がりとグローセルのセンサ技術を掛け合わせ、伝統文化の継承と現場で働く蔵人の健康を守りたい、そんな思いの込められたコラボレーション製品です。

「1社だけでは難しいことでも、連携してそれぞれが得意なことをすれば実現できます」と深井さん。「日本には1200ほどの酒造会社がありますから、大分を起点として全国に展開し、酒造りにおける働き方改革を実現していきたいと考えています」



麹みまもりくんのことがよくわかるご紹介動画はこちら
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